ブラッド・ピットにとって、『トロイ』(04)への出演は作品選びを再考するきっかけになったという。

2004年公開の『トロイ』でアキレス役を演じたブラッド・ピットだが、その構想に納得できなかったことから、以降はストーリーを深く掘り下げる監督と一緒に仕事がしたいと思うようになったそうだ。「ニューヨーク・タイムズ」紙のインタビューでブラッドはこう語っている。
「『トロイ』はやらなきゃいけなかったんだ。今だから言えるけど、僕はすでに同じ製作会社のほかの映画を降板していたから『トロイ』に入れられてたんだ」「辛くはなかったけど、映画の話の進め方は僕が望むものではなかった。僕も間違いをいろいろしたし」
「『トロイ』について言おうとしていることは、その枠組みから脱出することが不可能だったということだ。気が狂いそうだったよ」「どのシーンも『ヒーロー登場!』って感じで、ミステリーなんて何もなかった。だから、あの時にこれからは良質なストーリーにしか投資しないって決断したと言えるかな」
またブラッドは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でゴールデン・グローブ賞など数々の賞にノミネートされているが、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『12モンキーズ』(95)の演技を一部後悔しているという。
「『12モンキーズ』の前半は、完璧にやれたよ。でも後半は全然ダメだった。脚本に罠があってね。あの演技が気に入らなかったよ。脚本のせいじゃないけど、うまく理解できない部分があったんだ」「後半は前半の本物の演技の真似をしているようだった。最後のシーンまでね。最悪だったよ」