
CELESYでも以前取り上げた、大接戦を繰り広げたアメリカ大統領選挙。
ヒラリー・クリントンを抑えて勝利を獲得したドナルド・トランプが大統領に就任してから約3か月、日本のメディアでも連日新大統領の行動が話題に。
メキシコの壁建設やイスラム圏各国からの渡米の一時禁止など、対立したアメリカ市民の溝を更に広げるかのような政策を命令したトランプ大統領が憤慨したのが、娘・イヴァンカのファッションブランドの不買騒動。
大手デパートで彼女のブランド「イヴァンカ・トランプ」を取り扱わない方向に向かう中、今回はそのブランドについて、そして不買騒動の先に何が隠れているのかを解説していくよ。
■イヴァンカ・トランプ
https://www.instagram.com/p/BPdY1pEBjNb/
二年ほど続いた大統領選で話題となったのが、保守派トランプの娘という肩書とは裏腹に、先進的で働く女性を意識しているイヴァンカ。父同様ビジネスの手腕があるようで、同名のファッションブランド「イヴァンカ・トランプ」の経営、そしてデザインを手掛けていた。
自身と同様に、子供や家庭がありながらも社会に進出し、「働くママ」や「キャリアウーマン」として活躍する女性を応援するようなデザインを自ら手掛けていった。
大富豪である父の下で育ちながらも幅広い客層を意識し、トップスはUS$50前後、ワンピースはUS$100以下というお手頃価格で、誰でも手の届く設定になっている。
デザインやその服への思い同様、インスタグラムでは#WomenWhoWork(働く女性)というハッシュタグでブランドのコンセプトを強調。CEOであるイヴァンカの女性を支持する強い思いが押し出されているブランドになっている。
不買運動の先にある矛盾
選挙期間中や大統領就任後の節操ない言動に、トランプに対する嫌悪感が高くなる米国民。特に過去の会話で、「Grab them by the pussy(彼女の股間を掴め)」という女性蔑視的発言をするトランプに対し女性たちは怒り心頭。
よって、そのトランプの娘のブランド、「イヴァンカ・トランプ」を支持しないことで女性の威厳を訴えようというのが不買騒動の裏側。
女性なら支持したくなるこの行動。しかし紹介したように、ブランドの女性を支持するコンセプトをよく理解すると、それは矛盾にも働いてしまう。
トランプ大統領の親族だからと一括りに支持、不支持するのは消費者としては賢くない判断。
娘とはいえ一児の母であり、一人前に経営をこなしているイヴァンカも個人のイデオロギーを掲げていることを忘れないで取捨選択することが重要だと今回の件は教えてくれたのではないかな。
写真:Instagram
文:CELESY Writer Urara